「息をまわす」は動きの結果であって歌うための手段ではない♪
- よこまちあゆみ
- 2018年7月8日
- 読了時間: 2分
ある日のレッスンの様子をレポートします。
声楽教師のもとで歌を習っていらっしゃる方が、私のところにレッスンにやって来ました。
「後頭部に息を回して、声をおでこのあたりに当てるようにしなさい。」
という指導を受けたのですが、その意味がさっぱりわかりません。
いったいどうすれば良いのでしょうかー?(-_-;)」 と困った様子。
これは声楽の指導で良く言われるフレーズです。
もちろんそれでうまくできるようになる方がもいますが、一歩間違えると弊害も起こりうる抽象的な表現です。
そもそも息を後頭部に回すことはできるのでしょうか?
答えはノーですね。
息は肺⇒気管⇒喉頭⇒咽頭⇒口(または鼻) という順序で吐き出されます。
実際には後頭部を回ることは起こりえません!
ではなぜそのような表現が多用されるのでしょうか?
推測するにそれは「声楽家が良い発声で得られた結果の個人的感覚を生徒に解説している」という現象にすぎないと思います。それで声が良くなった場合は良いのですが、中には本当に息が回すと良い声が出ると思い込んでそれを実現しようとガンバル生徒さんがいるのです。
がんばってしまう人の弊害
①口の奥を不必要に開けようとするため音色が暗く、こもった感じになる。
②舌根が必要以上に下がり、それにともなって喉頭全体の位置も下がる。
③本来の空気の通り道と、脳内で考えている通り道とのズレ(ミスマッピング)のため息の圧力、スピードが下がる。よって音程が安定しない。
他にもあるかもしれませんが、以上のようなことが推測されます。
この生徒さんには息の通り道を正しく説明して、息だけの練習をしてから歌ってみることで声があっという間に改善しました♪
よかった、よかった(*^。^*)
「息が回る」感覚は、声が出た結果の認識として得られる感覚に過ぎません。あくまでも結果なので、そのために具体的にどのような意図を持って、カラダが何をするべきか考えて実践することが大切ですね!
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